生活
シーン1
寝苦しい日々が続いている。一度寝る時間やリズムが崩れてくるとなかなかもとに戻すのは難しい。
さらに寝なければいけないと考えれば考えるほど眠れなくなるものだ。
こんな時はおもいっきりランニングでもして体を疲れさせてやればすぐ眠れるのだろうけれどこんな時間から走るのも億劫だ。
眠りが訪れるのを目をつむってずっと待っているのだがどうやらすぐには訪れそうにはないのでたいして意味のないとりとめのないことを書くことにする。
最近ではラジオを聞きながら眠るのが習慣になってきている。
昔はよくアルバムを流しながら寝ていたがそれがラジオに変わってきた。
ラジオの距離感は気持ちが良い。ラジオはとても優しい。今の自分にはそれがとてもあっている。
誰かの生活の話を聞き様々な気持ちを馳せる。昨日はこんないいことがあっただとか、週末は何をするだとか、悲しい出来事やそんなニュースに関する様々な意見など世界には生活が溢れていることを実感する。
明日もし晴れれば花火を見に行くつもりだが、天気予報では昼過ぎから雨らしくどうやら予定は変更になりそうだ。
そういえば隅田川の花火は人が多すぎてしょうがないから歩いて見たなとか、地元の花火大会に一緒に行ったなとか昔の話をちょっと思い出したりした。
碑文谷公園や近くの卓球場やダイエーや登戸のスタジオや急で長い坂道やウルトラマンや狭い六畳間や深夜のレンタルビデオ屋。
眠れないとそんな事を思い出したり、あの時飲み込んだ言葉の行方を探してみたりまったく生産性のないことをしてしまうものだ。
文字にすると余計な感覚感情が生まれる。だから文字にすることはためらってしまう。
私はここにいるし、あの日の選択をしなかった私はこの世には存在しないわけで。
今この瞬間を生きていくことを決めたのであってパラレルワールドは現実には存在しない。
明日は雨だったら何をしようか。何か美味しいものでも作って食べたいものだ。
朝はパンがいい。昔と違って寝起きであまり食べ物を食べる気がしないが
パンがあった時はテンションが上がる。コーヒーか牛乳とともに一日が始まるのだ。
生活とは安定なのだと最近思う。変わらない暮らしを私は求めていたのだ。
仕事をして、掃除をしたり、ご飯を作って、たまにどこかへ旅行へ出かける。
そういうものをきっと求めていたのだ。
だいぶ夜も深くなってきたしそろそろ眠りが訪ねてきそうだ。顔を洗って歯を磨いてそろそろ眠ろう。
明日も生活は続く。